ABA(応用行動分析学)について

ABAとは?

ABAとは、アメリカで一番有名な心理学者と言われている”B.F. Skinner”の「オペラント条件付け」という
基礎心理学から生まれたものです。Skinnerが考えた心理学を「行動分析学(Behavior Analysis)」と言い、
その応用として考えられたのが「応用行動分析学(Applied Behavior Analysis)」と言われているものです。
ABAは障がいを持つ子どもたちに非常に有効な療法と言われていますが、障がいを持つ子どもたちだけでなく、
子どもたちの教育や、大人の労働・産業の分野など、幅広く使われているものです。私たちは、ABAの中でも、
日本で生まれた「フリーオペラント法」を使っています。

ABAというと、机の上に座って学習を行うことが主ではありますが、フリーオペラント法は、日常生活や遊びなど、
自然な中でアプローチを行い、自発性を最大限に生かして、主にことばや社会性、生活などを伸ばしていく療育方法です。

ABAはどんな方法?

ABAで人の行動を見てみましょう。


自分の体を傷つける行動(自傷行為)をする人がいます。
発達障がいの方だけではなく、定型発達(健常)と言われている方でも行うことがあります。
普通常識で考えると自分の体を傷つけるなど理解ができないと思うかもしれません。
しかし、ABAではこう考えます。

-A-

「したくない嫌なこと」

-B-

「自傷行為」

-C-

「嫌なことをしなくても済む」

自傷行為を行うと周囲の人たちの目も
「自傷行為そのもの」に向いて(慌てて自傷を止めるなど)、
結果的に「したくない嫌なこと」をしなくてもよくなることがあります。
そのため、したくない、嫌なことを避けるための自傷行動が続くようになります。
誰でも痛いことは嫌なのですが、
この人は、他人に嫌なことをされたり、言われたりするよりも
自傷行為をする方が得だと、過去に学習してしまっているのです。
もちろん自傷行為の要因は様々なのですが
「嫌なことを避けたいので自傷行為をしている人」には、例えばこの様に接します。

-1-

嫌がることをしない。

-3-

代わりとなる行動を獲得させる。

-A-

「したくない嫌なこと」

-B-

「自傷行為」

-C-

「嫌なことをしなくても済む」

-2-

自傷行為にあまり反応しない。

自傷行為をする前に「嫌がること」は極力しない。
このことで自傷行為を誘発しなくなるだけでなく、 ストレスの低下と学習の向上がはかれます。

自傷行為とは別の代わりとなる行動を獲得させ、別な行動を形作っていきます。
例:嫌な時に「いや!」と言えば即座にやめる。嫌なことを伝える合図を作る。。

自傷行為をした時には騒ぎたてたりせず、淡々と反応をして 行動を形作るものを消していきます。
※「淡々と反応」の時には少々注意が必要です。

以上は一例です。

この時に、「この人はこういう気持ちだから」というワードは一切使いません。
単純なのですがちょっとした見方を変える必要があり
少しのテクニックが必要になります。
このような見方をして個々それぞれに対応をしていくのがABAの方法の一つです。
行動の前を「事前のできごと(Antecedent event)」、
行動の後を「結果(Consequence)」として。
二つに挟まれた「行動(Behavior)」を見ることを、
それぞれ英語の頭文字を取って「ABC分析」と言います。

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